読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

舞台「孤島の鬼 -咲にほふ花は炎のやうに-」感想

f:id:hitsujitoyume:20170205111546j:plain

 

孤島の鬼、初日と2日目観劇してきました!
役者さんもエネルギーのいる舞台だと仰られていましたが、あの空間に座っているだけでもとても疲れてしまう、緊張感のある舞台でした。開演前の客席があんなに静まり返っているのは珍しいですね。

とてつもないセリフ量、かつ、佐藤さん出ずっぱりで、負担が凄そうです。物語の中の箕浦と、その結末を知っている箕浦が同時に物語の中にいるのですが、これが本当に面白かったです。「私」役の箕浦が、ある時点で当事者に変わる瞬間!鳥肌がたちました。

 

箕浦についてですが、若い箕浦には重すぎる出来事が連続して、ずっと眉を寄せて泣いている箕浦を見ていると本当にかわいそうになってしまいました。恋人や友人を亡くして、やりきれない思いというものが伝わってきました。
箕浦はあの変態的な世界観の中にいても際立ってノーマルな存在だったと思いますが、それ故の残酷な面が恐ろしかった。恋の素晴らしさを笑顔で諸戸に語りかける箕浦は本当に許せない!

 

曲馬団のシーン、スポットライトの当たっていない上手側で箕浦と諸戸が座っているんだけど、諸戸は曲馬団を見ずにずっと箕浦の背中を見つめている。切ない顔をしたり、獲物を狙うような顔をしたりしている。たまに箕浦が振り返ると、何でもない表情に戻っているけど、全然隠せてない!欲望隠せてないよ諸戸!そんなんだから逃げられちゃうんだよ!って思ってしまった。田中涼星くん、座っているだけのシーンで諸戸の下心も切ない気持ちもそれを隠していることも表現してくる。

 

衣装は白いシャツに白いパンツ、白い靴で、緑や黒で汚れみたいな色が一部分に付いていたんだけど、諸戸だけは汚れがなくて、真っ白でした。洞窟のシーンで箕浦に襲いかかる瞬間に、ベストの前を開ける。するとベストの内側から汚れている衣装が見える。イケメンエリートで一見完璧に見える諸戸の内側には、あんなに汚いものが隠されている。衣装でも表されていました。

 

小説を読んだ時は、諸戸があまりにも報われなくて虚しい気持ちになったのですが、舞台のラストでは隼くんの箕浦が諸戸の手を取って優しい表現を浮かべていました。(ここ、手を伸ばしている諸戸の表情から、彼がどんなに箕浦を思っているのか、とても伝わってくる。)諸戸の恋は実らなくても、箕浦と過ごした時間や交わした手紙のやりとりによって諸戸に少しでも救いがあったと思って良いのでしょうか。

 

それから、前回書いた楽しみなセリフ!隼くんが言った〜!!過去の自分に教えてあげたい!

観劇後に赤坂レッドシアターの階段を上って地上へ出ると、自分も箕浦のように白髪になっているんじゃないかと思っちゃいましたよ〜。疲れた!